放射線治療科・健康コラム|乳房温存療法の術後放射線治療について

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乳房温存療法の術後放射線治療について

放射線治療科

 

早期乳癌の標準治療は乳房温存療法です。乳房温存療法の基本は癌を小さく切除して術後に放射線照射を行うことです。術後照射を行うと、照射しない場合に比べて乳房内の再発が1/2程度に減少し、生存率が向上します。

放射線治療の方法

癌があった側の乳房全体に照射します。

手術した切除断端(切除した断面)に癌が近接あるいは残った場合は、元々癌のあった部位(腫瘍床といいます)に絞って追加の照射を行います。

腋窩リンパ節転移の状況によっては、鎖骨周囲のリンパ節に照射することがあります。

スケジュール

照射治療は平日(土日祝日以外)の毎日1回です。

照射に要する時間は、治療室に入ってから15分程度です。

乳房の照射には2つの方法があります。

①標準法

全乳房に1回2グレイを25回行います。追加照射する場合は腫瘍床に2グレイを5回行います。

②寡分割法(かぶんかつ)

リンパ節転移陰性で鎖骨周囲リンパ節に照射しない方、化学療法を行っていない方が適応です。全乳房に1回2.66グレイを16回行います。追加照射する場合は腫瘍床に2.66グレイを4回行います。

*グレイは体に吸収される放射線の単位です。

副作用

放射線の当たる部位に起こります。免疫力が低下することはありません。

・皮膚炎(日焼け)

使用するX線は紫外線の親戚なので日焼けが起こります。開始2~3週後から発赤が起こってきますが、程度には個人差があります。放射線治療終了後3~6ヶ月で元に戻ります。

・汗腺機能低下

汗腺の働きが低下するため皮膚が乾燥します。

・痛み

一時的な乳房痛が時々ありますが心配ありません。

・放射線肺炎による咳や息切れ

乳房裏側の肺の一部に放射線が当たるため、放射線治療終了2~6ヶ月後に咳や息切れを伴う放射線肺炎が100人の中で1~2人の頻度で発症します。症状が強い場合はステロイド服用が必要になることがあります。

①標準法と②寡分割法の照射スケジュールで治療効果と副作用の程度・頻度に差がないことが臨床試験で確認されています。

 

放射線治療の後半から治療終了数週は皮膚乾燥に対して保湿薬、日焼けによるかゆみやひりひり感に対してステロイド軟膏を使用することがあります。保湿薬や軟膏を開始する時期は、症状をみながら医師や看護師が判断いたします。

照射部位に皮膚インクで印をつけていますが、保湿薬によってはインクがにじんで治療に影響してしまうのでしまうことがありますので保湿薬についてはご相談ください。

 

下に左乳房と右乳房の線量分布図(放射線の当たる部位を示す設計図です)を提示します。両側乳癌の方は両側同時に行うこともあります。

全乳房を照射野に含めますので、乳房裏側肺の一部に放射線が当たります。心臓には当たらないように工夫いたします。

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